世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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超自然主義

発端はFacebookでの化粧論争

The biggest challenge facing somali girls is cosmetics! It is a fact nobody wants to discuss in public but it is serious health issue to be addressed. It makes them look zebra crossing! Cosmetics doesn't add value or beauty. Lets compaign against this vice

ソマリア人女子が直面している最大の課題は化粧だ!誰もが公の場で話そうとしないが
化粧による健康障害は深刻である。化粧により女性はしまうまのようになるだけで
そこには価値も美もない。この悪徳に反対しようではないか

とりあえず、自分がまともに化粧するかはおいといて
化粧というものが「深刻な健康障害」どころか
「女として生きる必須」みたいな国から来て
まぁ日本に帰れば、美的やMAQUIAの2~3冊は読む身からすると
化粧というのは、まぁ悪ではなくて
Spirit boosterというか女として鮮度を保つための起爆剤みたいなもので
しかも質のいい化粧品遣うと結構肌が違うぞと感じるところあって
彼の掲示板に一言書いてみたのだけれど、うちのスタッフがガチで反論してきた。

ソマ「なんで、そもそも色を変えないといけないのかわからん」
(ソマリア人はというかこれは世界的な潮流なのかもしれないけれど
パキスタンもそうだったし、美白プロダクトというのはどこでも売っている)
ミオ「いや、肌を”漂白”するとか”美容整形”ってが危険なのはわかるけど
最近の化粧品はかなり進化をしていて、肌がよみがえったりしわが消えたりするんだよ。
ほら女はいつでも若くいたいもんじゃん」
ソマ「年をとれば、しわが出てきて当然だし、肌が疲れてくるのも当たり前。
そういうことにお金をかける意味がない」
ミオ「え、でも奥さん、ずーっときれいなほうがよくない?」
ソマ「いや、子供を産めればそれでいい(I dont care as long as she can have kids)」

・・・どっかの大臣でそんなこといって大問題になった人がいましたけど(あ、うちか)
ふつーのソマリア人の男性の感覚って(彼は特にExtremistというわけではないので)
こんなもんなのかしら。
こういう”価値観の違い”って議論してどうなるってもんじゃないよね。
俺はマンゴが嫌いなんだという人にどんなにマンゴがおいしいか力説してもだめなように。

確かにソマリア人で「うちの奥さん美人だぜー」と自慢する人に会ったことがない。
こっちが「奥さん美人ねー」とはやしても
あんまりそこが自慢ポイントにはならないみたいなのは感じていた。
先進国のアフリカだと違うのかもしれないけれど
一夫多妻がまだ普通に普及しているソマリアだと
奥さんの年とか美しさとかあんまり重要項目ではないんだよね。
そもそもほら、自分以外のパブリックに奥さんみせびらかしたりしないから。
で、自分にしか見せない奥さんがきれいでも目がぱっちりしてても
別にワクワクしないってこと?
日本的な感覚でいうと、結婚しても気を抜かない(=化粧をちゃんとしたり
身なりを整えたり)という奥さんはよい奥さんという定説だけれど
超自然主義のソマリアは、化粧とか若く見えるとかそういう”無駄なことに”
神経使うくらいなら、ちゃんと亭主を子供の面倒みろ、ということか。

ちょっと前に
アルシャバブ(武装勢力)がブラ禁止を掲げて
モガディシオで、道行く女性がブラを着用していないか検査して
ブラをしていたら鞭打ち、という記事が
「世界びっくりニュース」扱いじゃなくてBBCなんかでも
普通に流れていたときに
「確かにブラをする理由がわからない」と言ったソマリア人もいたなー
で、「なんでブラするの?」と聞かれて
「いやそれは習慣であって、しないと快適でない」
と言ったのだけれど
「胸が大きすぎて重い人がサポーターとしてブラを使うならわかるけれど
普通の人は別に胸を縛る必要ないのになー」と一言。胸を縛るって(笑)
コーランに、ブラをしてはいけないという項目はないはずなのだけれど
化粧もブラも、不可解に感じるソマリア人が結構いるというのは
興味深い事実。
確かにTシャツでジーパンでノーブラだと刺激的すぎるけれど
べろべろでしかもその上からすっぽりかぶるソマリ服だと
ブラをしていようがしていまいが外から見えることがないので、
胸が大きいわけじゃない人は(私もか)
ブラをする必要はないかもしれない。あ、しかし
しないで垂れてきても嫌だけれど
たぶん件のソマリア人に言わせれば
「自然に従ってそれが垂れてくるならそれはそれ」と多分いうであろう。
日本の女心をソマリア人の男にわかってもらおうと思っても
それはなかなか難しい。

思い出したついでに書いてしまうが
男性の話ではなくて、ウガンダ人の女の子とソマリア系デンマーク人の女の子と
話していたときに、FGM(女性割礼)の話になったのね。
人生の早い時期に性器の一部を切り取ってしまい
性交渉を「楽しむ権利」を奪ってしまう慣例。
で、よくNGOやら国際機関やらが
衛生問題や女性の権利や地位向上をかかげて、
FGM廃止を訴えるわけであるが
実際問題ソマリア社会ではまだFGMが普通に慣例として残っている。
デンマークで生まれ育った彼女も
周りのソマリア人がデンマークに育っているのにも関わらず
普通に自分の娘にFGMを施すのだと言っていたし
うちのスタッフを見ていても
高い教育を受けていても女性はほとんどFGM体験者である。

FGMを「人道的でない慣習」と糾弾するのは
理由があるわけだけれど
ウガンダ人の友達が
「でもさ、美しくなるために腹の脂肪を吸引して胸にいれてみたり
胸とか鼻に異物をいれるのがOKな国の人に
FGMは女性の権利の侵害だって言われてたくないよね。
自分がいいと思ってやることに
周りがなんと言っても無駄ってこと」

という彼女の言葉におーそりゃー一理あるなと思ったのでした。

化粧もブラもFGMも美容整形も
自分がいいと思ったことを人はやるだけなのだ。
住んでる環境と周りにいる人たちの価値観によって
自分の価値観が形成されてくるということね。
厚化粧はしたくないけれど
やっぱり肌はつるつるなほうがいいし
目じりの皺はいらないもの。
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by miomiomiomion | 2010-12-08 20:49 | かるちゃー