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世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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桜の花の咲く頃に

桜の時期に帰ってこようと思って
今年は年初から楽しみにしていたんだった。
で、予定通り帰ってきたわけだけれど
予定通りじゃないこともいっぱいあって
桜をゆっくり楽しめる感じじゃない。

でもね、こんなときだからこそ
日本人の春の原点の桜を愛でる時間を作りたいと思う。
辛い思いをしている人もたくさんいて
その人たちに共感を示すこともいいことだけれど
でもね、共感を示す、だけじゃ足りないわけ。
いろんな人が「何かできないか」うずうずしていて
遊びに行く気にもならず
かといって家にいてもなんとなくブルーで
なんとなく毎日が過ぎてっているという人もいると思うのだけれど、
仕事を休んで現地に行くのも学生ならできても
社会人はもっと違う関わりかたがある。
いや、いけるひとは行ってもいいんだよ。
いけば役立つことがあるから。
公を通して正攻法でいったらやっぱり
「ちゃんと調整をしないといけないから情報が出るまで
待ってください」ということにもなるわけだけれど
私の周りにも自分で情報を捕まえてきて
現地に行って、炊き出しの支援や物資の配布をやってる人が何人もいる。
でも、みんながそうでなくて全然いいのだ。
なんでかっていうと、困っている人を掬いあげるには
これからいろんな関わり方が必要になってくるから。

今日ちょっとみつけてこんな記事(東京新聞)

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県の
「岩手県北観光」が22日~5月3日東京品川発で
岩手、秋田、青森各県の桜の名所を巡る
ケッパレ東北!みちのく桜紀行~元気を咲かそう。
今東北へ
」というツアーを実施する。
同社でも被害者が出たしかし
「こんな時こそ、明るく笑顔を」とバスで移動するツアーを決めた

被災者もいつまでも被災者でいられない。
いつ義捐金がくるかもわからない。
どんどん立ち上がろう!という気概って大切だと思う。
寄付もいい、ボランティアもいい
でも桜をみるバスのツアーに参加するってのは
私は粋なやり方だと思う。
これは普通のビジネスだけど、
いつまでもボランティアでは社会は回っていかないから
(しばらくはそれでも続くでしょうけれど)
ちょっと手垢のついた言葉を敢えて使うと
”持続可能な”流れを作っていかなければならない。
たくさんのお金が集まっているわけだけれど
一時的なお見舞い金だけではなくて
雇用を増やすような政策や、風評被害を受けた農家や
もとに戻るように、社会を私たちが動かしていかなければならない。
そういう「長期の視点にたった」復興を少しずつ考えていかねばならぬ時期。
だから寄付じゃない、違うお金の使い方を考えていい。
あげておしまいなんじゃじゃなくて、復興を支えていくお金。

これもおんなじ東京新聞の記事だけど
江戸川区にある福島県物産品アンテナショップ「ふくしま市場」で
東日本大震災の被災地を応援しようという買い物客で活気づいているという。
うん、こういうのいいなぁと思う。

普段の生活の延長で、心をこめて、被災地を考える。
物品集めて送って、寄付金あげて終わり、じゃなくて
彼らの生活がまたもとに戻るまで息の長い普通の「支援」をする。
たとえば家が壊れたわけでなくても毎日膨大な量のミルクを捨てなければならない
福島の酪農の人、風評被害で野菜が全く売れなくなった千葉の農家、
そういう長期にわたって打撃をうけるであろう人をサポートするのは
本当に息の長い、長期的視点にたった介入が必要になる。
政府ももちろんだけれど、消費者になる私たちも。
ビジネスコミュニティーも。

孫さんは100億だけじゃなくて活動するNGOを対象に
無償のソフトバンクの携帯の貸出をしている。
柳井さんは自腹の10億のほかに、
7億円分のユニクロの服を寄付した。

うがったこというわけではなくて
彼らはそういう日常の延長で社会貢献をすることで
自社製品、それから社長の人としての価値をぐんと上げた。
困っている人を助け、企業イメージを上げるWIN―WIN戦略。
そういう「すごい人」を見て
次に続く世代がInspireされるから、ただのビジネスなんかじゃなくて
社会の大きなダイナミズムを3Dで盛り上げている。
ソフトバンクの携帯が、被災直後はほとんど使えなかった
そんな批判もあったけれど、孫さんのど肝をぬくような動きがあってから
そんな「昔のこと」は誰ももう語らない。
試されるのは「今」なのだ。

改築するはずのホテルを避難所として使うことにした老舗の赤坂プリンスホテル。
豪華客船を現地に送り、風呂と食事と映画上映とひとときの
非日常を提供することに決めた三井商船。
生理用品やマスクや野菜や自社製品の提供の申し出も毎日
山のようにくる。
海外からも絶え間なくくる物資や人の申し出。
そして、問い合わせるとどんなに遅くても丁寧に答えてくれる
国立病院機構や役所の人、ボランティアセンターのおじちゃん、
日本全体が自分の足元から、固まっていくのを
この身で感じながら毎日仕事をしている。
まだまだ落ち着くのは先だけれど
日本は本当に、1人1人のレベルが高い。

ちょっと言いたいことが多くて
うどんに天丼セットみたいな感じで詰め込みすぎた感があるんだけど
いいたいことは二つ。
日本人として桜の季節に、桜を愛でる気持ちを忘れないで。
そして、震災は長いスパンで考えて
自分のできるところで支援していこう、ということ。
by miomiomiomion | 2011-04-07 22:01 | 社会を斬る