世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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走ることを語るときに私の語ること

なんでわざわざ苦しい思いをしてまで
走るのか全く理解できない


とジャズピアニストの友達はいうのだけれど、
私だって、昔から走るのが大好きだったわけじゃないのだ。
小学校の時分は身長は5年生まではいっつもダントツ一番前だったし
体が小さかったのと体力もなかったので
リレーの選手に選ばれたこともなかったし、
ただ逃げるのがうまかったのでドッチボールがちょっとだけ得意だったくらいだ。

ま、そんな昔までさかのぼらなくていいか。
ま、でも高校で何を間違ったか体育会系の水泳部に入ってしまい

なぜわざわざこんな苦しい思いをしてまで
泳ぐ私?


という冒頭のことと全く同じことを思いながら過ごした
1.5年間(途中で留学したので3年はやらなかったのだ)を経て、
気がついたら、大人になってから、
体力なんか全然落ちて、ほんとだったらもうがむしゃらにスポーツなんてしなくていい
お年頃になって、にわか走り出した「いまさら」ランナーになってる。

とはいえ、「いまさら」ランナーとしても私はまだまだ全然甘ちゃんで
私が2010年にジンバブエのハーフマラソンで会った75歳のランナーは、
私のハーフのタイムより早いタイムでハーフを通過し、フルを走って
「5大陸全制覇!」とテレビカメラがゴールのシーンを映していたりしてたんだけれど
その彼が走り始めたのは50歳だって。
で、私は走った次の日ラフティングをやったんだけれど
彼は私のチームにいて、若者と負けない力強さで
ボートの上げ下ろしをしていて
うわ、世界はほんと広いわーすごい人いるわーと心底感服したものであった。
マラソンって若ければいいわけじゃなくて、
総合優勝で20代より40代が速いってざらにあることなので
その競技人口の年齢層の厚さと人間のもってるポテンシャルにくらくらくるのである。
30代って全然まだまだなの。ほんとに。

で、なぜ走るのか。
村上春樹は言う

「走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら
大型トラック一杯分はある。僕らにできるのは、その「本の少しの理由」を
ひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ」(”走ることについて語るときに僕の語ること”
村上春樹)

彼の走ることに関するこのエッセイは秀逸だ。
彼の作品はほとんど読んでいるけれど、このエッセイがもしかしたら一番好きかも。
走ることに対する、ひいては人生に対する姿勢がすごく丁寧で、真摯で、
で、ユーモラスで、でも根本のところに
ちゃんと筋が通っていて、思わず

「そうなんだよ、村上さん!」と共感で肩をたたきたくなってしまうそんな一冊だ。

「僕は日々走りながら、あるいはレースを積み重ねながら、
達成基準のバーを少しずつ高く上げ、それをクリアすることによって、
自分を高めていった(中略)昨日の自分をわずかにでも乗り越えていくこと、
それがより重要なのだ」

自分が走るのも、まさにここだなーと思う。
化粧品の広告で言われるようなアンチエイジングなる見た目のことじゃなくて、
なんていうか年をとるのは別にいいんだけど、
人間としてできうることの追求を放棄しないというか
「こんなもんじゃない?」となげやりに決めてしまわない、という姿勢。
でコツコツがんばる。で、ちゃんと結果がついてくる。でもちょっと苦しい。
水泳のスプリントとか複数でする団体競技と違って
ある年を過ぎたら頭うちなことでなく、
ひたすら孤独で(誰かと一緒に走っても別にいいんだけど)
自分が自分に挑戦していくことで確実にちょっと前の自分よりうまくなる
数少ないスポーツだ。そしてさっきも言ったけど、
年齢を重ねてもそれが必ずしもマイナスにならない。
若いときみたいにね、生きている時間のかなりの部分を
スポーツにかまけられる贅沢は今の私たちにはできないから、
日々のやらなければいけないことの隙間に20分でも1時間でも
摘み上げていかなくちゃいけない。

この感覚って、今思えば、高校の水泳部時代に諭された
「自分の限界を自分で決めるな」(By 入江先輩)の精神なんだなぁ。
昔はどこかしっくりこなかったことが、今になってとってもしっくりくる。
あの時、あの時間を越えてきたから今「うん、これ、できるかも」と
自分の挑戦に寛大にいられる気がしなくもない。

ただ、一年中365日ストイックに生きるつもりはさらさらないので、
その辺のバランスを上手にとって鍛えるときと甘やかすときがあっていい。

年末年始もう暴飲暴食の極み、みたいな時間があって、
寒さもあったし、スキーやらスケートやらよく歩いたりしてたので
体重的にはそんなに増えてないんだけど、
楽しむスポーツじゃなくて「鍛える」スポーツやんないと
体が鈍る。肉がたるむ。輪郭がゆるむ。
帰ってきたら、体がどよ~ん、としてる。

ということで、冬が終わって(というか温かい国に帰ってきて)
3月初旬のレースに焦点を合わせて、
期間限定で自分に厳しい日々を送る季節がやってきた!ところなのだ。

だいたい調整に3ヶ月かかるから
一年に1ハーフマラソン、1マラソンやれば
一年の半分くらいはすごく健康にいられて
そのあとの半分くらいの不摂生もまぁカバーできる(できるのか?)計算。
ちゃんとしたシューズと健康な体があればいいだけだから
せっかくだから世界のいろんなところで走れたらいいなと思うし、
やるんだったら、1秒ずつでもタイムがあがっていくことを目標にしなくては。

ちょっと最近、トライアスロンに興味あり。
だんだんはまってくるんだよね、こういう自己鍛錬(笑)
ま、バイクを練習できる大きな道路がないので、
今年はお預けかな?

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私のランニングパートナーのチャイさん。ラオ犬。
最初のランは途中で疲れて(+ほかの犬が怖くてびびってしまい)
だっこして帰ってきたんだけど、もう一時間ノンストップでガンガン走れるアスリートに成長。
特に他の犬が寄ってくると猛ダッシュ!(うちの子、人見知りなの)
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by miomiomiomion | 2014-01-13 00:30 | ワタクシゴト