世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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カテゴリ:みおの本棚( 14 )

心の栄養補給

部屋で本を読んで号泣していたら
びっくりした同僚にドアごしに

お~い大丈夫か?

と聞かれた。(恥)
大丈夫大丈夫。心遣いありがとう。
いい本を読むと心が潤う。
自己啓発本もタレントの美容本も読むけれど
おりにふれて
こういういい本をじっくり読みたい。

ベッドの横のサイドテーブルに水のボトルをおいて
ちびちび飲みながら(別にここでお酒飲まなくていいのよ休暇じゃないから)
気になった単語を辞書でひいたり
気に入ったフレーズに蛍光ペンでひいたり
どっぷりの自分の時間にはいれる読書の時間は
何にも代えがたい貴重な時間。
暇つぶし、なんかじゃ決してない
心の栄養補給時間。

今読んでるのはコレ

Kite Runner

The Kite Runner

Khaled Hosseini / Riverhead Trade

スコア:



1975年から始まる
アフガニスタンの舞台のお話。
連のアフガン侵攻、タリバン、
アメリカのアフガン難民たち
差別や心の葛藤や原風景、父親との葛藤
ちょっと距離感がある題材かもしれませんが
読み始めるとそれはもうもうぐいぐい引き込まれて
同僚に確認されるほど、泣いてしまう箇所もあり。
文章が何よりすごく美しくて
アフガンやパキスタンの砂埃の風景が
ぱーっと眼前に広がっていくような文章の流れがある。
本の核心にあるテーマは「贖罪」
本当に心の奥底にぐぐぐと隠されている
弱さやずるさに向かい合う
平凡な主人公の心の揺れ動きに
そしてカリスマティックな父親や
愛にみちた脇役たちの言葉に行動に
ぐぐぐと胸をつかまれる。

結局夜の3時に読み終えてしまった。
2010年の最後にとてもよい本に出会えたなぁ。
実はこれプレゼントで、
「すごいいい本だから読んでみて」といわれたのを
アフガン?うーんと思って放置していた私。

2011年はもっともっとちゃんとよい本を読もう。
調べてみたら
「君のためなら千回でも」という題名で
邦訳でも出ているようですね。ぜひぜひ。

君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫)

カーレド・ホッセイニ / 早川書房


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by miomiomiomion | 2010-12-18 03:17 | みおの本棚
村上龍の文章が好きだ。

なんていうか、えぐいことをえぐいまま書かないで
フィルターを通したように
どこか静けさというか冷たさが漂う空間を作り上げる。
そしてそこに鋭い真実がぎゅーと凝縮されている。
彼の文章は、いつもとても静かだ。
村上春樹のクールでインな世界感とも違って
なんかもっと下世話で卑近で騒がしいのに、音が抑制されている。
村上春樹の舞台がリビングルームで井戸の中だとすると
村上龍の舞台はコンビニでクラブで中学校だ。

辻仁成の文章は酔いすぎてて、フィクションなのに
「(こういう話を書いてる)俺は才能があってかっこよすぎる」
芳香が漂ってきて癪に障る。
絶賛している人もたくさんいたけれど、
「サヨナラ イツカ」はちっとも琴線に響かなかったし
自分の奥さんを主演にしちゃうのも
そして久々にメディア登場にパンテーンのシャンプーCM並みに
艶々の黒髪で出てきて
「あ、やっぱり私この人嫌いだわ。」と再確認。
ナルシな男はガクトだけで十分。
あ、別に辻仁成はどうでもいいんだった。脱線脱線。

で、何を読んだのかというと
「希望の国のエクソダス」
いや、パキスタンに持っていったのに全く開かなかった5冊のうちの一冊。
最初の一文が

どうしてテツがパキスタンに行かなくてはならないの、だ。

うっわー。なぜ出てくるパキスタン~!と思ったのだけれど
久しぶりにぐいぐい読める小説に出会ったという印象。
8年前に書かれた”近未来小説”
舞台は2001-5年なんだけれどとっても近未来風。
村上龍特有の、腐らない鮮度をもつ文章だから故。
なんていうか星新一なんかもそうだったけれど
荒唐無稽なストーリー展開のように思えて(当時)
しばらくたって紐解いてみると現代の潮流と奇妙な整合性があって
背筋がひんやりする。感覚が研ぎ澄まされる。
フィクションなのに、ドキュメンタリーのようなリアリティが見え隠れする流れ方。
不登校児が全国的に増えて
でも力を利用した革命を起こすわけではなく
頭脳と才能を駆使して機能不全の日本社会にドロップキックをかます話なのだけれど、
中学生が決してヒーローじゃなくて、カリスマあるのに、
熱さにみなぎったりしてなくてどこか欠けてる自覚もあって
物語の軸になるストーリーテラーのテツさんとその相方の由美子さんが
まるまる私の年代で(感覚的に一番やっぱり共感する)
普通の感覚と新世代のずれと惹かれる感覚をうまーく表現してくれて
とにかく出てくる大人は「ああこういう人いるいる」という
元気も気力もカリスマもない人たちなんだけれど
それが悪者なんじゃくて逆に「弱者」となって描かれてる。
「僕らの7日間戦争」的な(物語として)ありがちな展開じゃなくて
先が読めない中学生と
”普通”の感覚をもちながら、中学生にInspireされる中間世代と
もう成長幅の感じられないしぼんだ大人が織り成す
壮大な日本叙事詩だ。で、結構これがリアルなんですよ。
リアリティのないリアル。
でもほら、今の社会
昔にはありえなかったリアルに溢れているじゃないですか。
私たちの「リアリティ」の標準をちゃんとグレードアップしているかどうか聞かれたら
やっぱり年代によってアップグレードの差は歴然としている。
今の子どもをちゃんとわかってないから
これだけひきこもりも増えるんだろうし、
昔だったらありえなかった親殺し、子殺しもでてくるのだろうし。

中学生ってやるせない年代ではあるのだけれど
それを猟奇的殺人事件に仕立て上げないで
逆に「日本再生の旗手」になりえるかも、という期待をちらつかせながら
いやそんなにうまくいくわけないだろという闇の存在を感じながら
今の機能不全の日本が少しずつ崩れていく様子を
とまどいながらじーっとガラス越しに眺めている、そんなお話。
いや、村上龍、すごい。

「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。
だが希望だけがない」

そう子どもに問われたときに、
自信を持って答えられる大人が今の日本にどれだけいるだろうか。
お勧めです。

★★★★★
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by miomiomiomion | 2010-11-24 00:25 | みおの本棚

All about 幸せ

ちょっと書きそびれたこと。
映画’評’ってほどでもないんだけれど

The Blind Side(幸せの隠れ場所)

がすっごくよかった!
行きの飛行機で見たんだけれど
隣の人が水をくれて
「Are you alright?」と聞かれるほど滝泣き。
最後に「ええ!?これ実話だったの?」という
別にどんでん返しではないのだけれど
ぐぐーんとハートをつかまれるオチがある。
サンドラ・ブロックの真性金持ちの素敵奥様ぶりとか
それを見守るだんなさんの温かいハートとか
こまっしゃくれたちびっ子次男坊のハイパーアクティブぶりとか
演技とは思えない自然体の主役の男の子の
素朴な存在感がとにかくすばらしい映画。
愛が溢れているのに、わざとらしさがなくてほっと温かい。

サンドラ・ブロックはこの映画でオスカー受賞をしていて
それと同時にAll about Steveで
ゴールデンラズベリー賞(最低女優賞)も同時受賞という
史上最高で最悪の賞に今年同時に選ばれちゃったわけだけれど
このラズベリー賞の受賞スピーチがほれぼれするほどかっこいい。
背筋をピンと伸ばして堂々と登場してスピーチするサンドラを見て
自信がある、ってのはこういうことなんだなと思った。
最高の賞をベストの角度でポーズしてにこやかに受け取るんだけなくて
不名誉なことでもでも、自己主張とプレゼンテーションの場を最大限に活用して
自分の魅力を演出できる「強い女性」。いいねぇ、そこ狙いたいね。

ラジー賞:サンドラ・ブロックのスピーチ

で、帰りの飛行機で見たのは
Valentine's day
アン・ハサウェイとかジェシカ・アルバからアシュトン・カッシャー、
シャーリーマックレーンまで
豪華な俳優・女優陣が目白おしで
肩の力をいれないで楽しめるラブコメディー。
ちょっとをLove Actually彷彿とさせる
いろんな愛の物語がサクサクと交錯して
後味がじんわりな映画。嫌いじゃないなぁ。

結局「愛」も「しあわせ」も大層なものから産み出されるわけではなくて
自分の足もとと手の届く範囲に出入りする人たちをどれだけ
大切に思えるか、そして何をしてあげるかなんだなと思う。
いまだ見ぬ白馬の王子様を待つのだって悪いことではないのだけれど。

で、その後帰りの飛行機で読んだ本に書いてあった文。
シンプルだけれど、とてもとても正しいと思うこと。
白石一文の「どれくらいの愛情」から
(現実よりリアルで、映画よりも素敵な恋!という帯に唆されて買った一冊)

結局、人間は誰かに幸せにして貰うことも、
自分だけが幸せになることもできないのだろう。
人間にできるのは、おそらく誰かを幸せにすることだけなのだ。
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by miomiomiomion | 2010-06-02 17:07 | みおの本棚

自分探しの模範解答

90年代最後から流行語をもはや通りこして、定番になりつつある
「自分探し」なる言葉のうさんくささがどうも気になって
各所で

「自分なんて探してもどこにもおらん!自分というものは作っていくものだ」

と主張してきたわけだけれど、
まぁ私だって考えてみれば大学入学から28で
まともに「これからずっとこの道でやって生きたい」と思う定職につくまで
「恋をしていたのよ」のフーテンの寅さんよろしく
世界各地をぐるぐるまわって、相当いろんなことやって
いろんな人に会って、自分の適性を拡大してきた時期は
まぁ平たくいって

自分探しの時期であった

といえなくもない。でも、そんな自分をみつけたいなセンチメンタルな心意気じゃなくて
世界を見たい!自分の力でどれくらいいけるのか?みたいな
とりあえずやってみよういけいけごーごーな開拓者のスピリットだったんだけれどね。
94年に最初の1人旅で、八丈島行って、面白い出会いとおいしいかわはぎがあって
95年に最初の海外1人旅で中国に行って、「おお世界にも出られるジャン」と
乗った調子と勢いで15年たった今はソマリアくんだりまで流れてきたわけだ。
これは仕事だけれども。
やりたいことをちゃんとやってきたから、年をとったことに後悔はないし
年をとることに恐怖もない。

で、気がつけば周りの同世代は結婚して、かわいい子供が生まれて
でもそれはそれで、そのなりに悩みも考えるところもあって
メディアは勝ち組だ、負け犬だと国民を面白おかしくカテゴライズするけれど
個人のレベルではもはや、何をしてれば幸せだ、
なんていう絶対的な価値観が存在してないのは多くの人がわかっている。
私もネタとしては使わせてもらうけれど
決して自分のこと「負け犬」だとは思ってないし、「勝ち組」だとも思ってない。

もはや仕事か家庭か?じゃなくて
どういかに自分のキャリア(仕事だけじゃなくて、自分というもののグレードを
あげる作業も含めて)と家庭を両立するかという問題に
社会全体がシフトしてきている。
専業主婦だからって、毎日カルチャークラブとか奥様友達とお茶会、テレビで
プラプラしている人なんて古今そんなにいないだろうし。

というわけで20代のピチピチな(←死語)悩みがぽんぽんあふれ出てくる
青春時代とはまた違った、重厚感のある悩みと将来がかかっている選択に
向き合わざるえない30代の女の子(注*おばさんではありません)
だったら共感することが多いはずの一冊を読み終えました。
彼女のいる環境も舞台設定も私の今とは全然違うのに、
とってもピンとくる言葉がいっぱい。
深いことを、軽くおしゃれに言う。できればププと笑えるような
私が文章書いてて目指したいのはこの路線。

Eat, pray, love Elizabeth Gilbert

若くして結婚し、それを傷だらけで脱出した筆者が向かった
イタリア、インド、そしてインドネシア。
そして最後は希望と笑いとちょっぴりの心配のスパイスが
聞いたTo be continuedな巻引きになるのだけれど、
とっても面白い本だった。
何より、このElizabeth Gilbertの軽妙でおいしい筆致がいい。
周りに出てくる人もとってもユーモアと愛に溢れている。

気に入ったフレーズを・・・
(イタリア語を習おうと思ったきっかけの言葉が)
「神の定義、それはThe love that moves the sun and the other starts」
(太陽と星を動かす愛)←すごい素敵な定義じゃない?

Zen masters always say that you can not see your reflection
in running water, only in still water.  So something was telling me
it would be spiritually negligent to run off now, when so much was
happening right now.
(インドのアシュラムで覚醒する経験を経て、そのあとの旅行の予定を変更して
いることにした理由)

Even in the worst tragedies and crisis, there is no reason
to add to everyone's misery by looking miserable yourself
(バリで出会ったおしゃれなブラジル人の女の子の一言。I strongly agree!)

I can never be a vegetarian, no with food like this in the world
(パーティにて。私もおんなじことを常々思うこと)

I have a tendency not only to see the best in everyone but to
assume that everyone is emotilnally capable of reaching
his highest potential. I have fallen in love more thimes than i care to
count with the highest potential of a man, rather than with
the man himself、then i have hung on to the relationship for
a long time (sometimes too long!) waiting for the man to
ascent to his own greatness.
Main times in romance i have been a victim of my own optimism
(彼女がだめんずな理由を自分で分析するところ。笑彼女とはすごい気が合いそう・・・)

To lose balance sometimes for love is part of living a blanaced life
(インドネシアのヒーラーの一言、深い!)

で、これだ。

I was not rescued by a prince; I was the administrator of my own rescue
(私が危機に陥っていたときに)助けてくれたのは王子様なんかじゃなかった。
いつだって自分が自分のレスキューの管理人だったのだ。)訳が下手ごめん。

自分探しって自分が納得するまでいろいろ歩き回って
結局ここにいきつくんだと思う。そう、青い鳥とおんなじで最初っからはたぶんきがつかないこと。
外に出てみて、感じて、考えたあとに「気づくこと」

なんていうか、メモ書きをわーっと書いてみただけなわけだけれど、
同世代の女の子のみなさん、この本おすすめよ~。
日本語訳も出てるみたいだけれど、
友達のメールを読んでいるような軽くて勢いのある英語だから
ぜひトライしてほしい。

ちなみに映画化されて、主演がジュリア・ロバーツだって、
それはみなくては!
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by miomiomiomion | 2010-05-15 17:09 | みおの本棚