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世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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破れた窓から覗く好奇心のかたまり

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中央ソマリア中に、広がるIDP(国内避難民)キャンプ
こんなところに?という場所に
こんな状態で住んでいる。

モガディシオや国境沿い、紛争を避けて
たどり着いた先に待っている生活も決してラクではない。
こういうキャンプに10年とか15年とか住んで
こんな一つのテントに
本当にどうやって”収容”するのかわからないのだけれど
3つの家族が住んだりしている。
子どもは当然こういう環境で生まれている。

輝く笑顔
強い生命力
人間の可能性

そんなきれいごとだけでは形容できない
言葉を超越した重い現実がそこにある

こんなキャンプでも、場所代一ヶ月5ドルを徴収する大家がいて
水の管理人が一バケツ10円の費用をとったりして
だんだんとコミュニティーが形成されている。
キャンプ内で掘っ立て小屋のレストランができたり
お茶屋ができたりする。

治安悪化はここでも顕著だから
「テロリストの可能性」を名目で
18歳から30歳の働き盛りの男性がまとめて
いきなり警察に連行されて、
300キロ先のとなりまちまで
トラックで送られて、結局さらに南下して置き去りにされたり
風が強くて外で料理をしている最中に火が燃え移って
その一角が一瞬にして燃えたり
鍵も塀もなんもないからレイプの被害が続出したり
重度の栄養失調児がいても200キロ先の病院まで
連れて行くお金がなかったり

とにかくどこにいってもいつまでいても
問題が転がっている。
私たちができることなんて大海の一滴、焼け石に水
でもね、それで助かる人がいるのだから働かなくては。
エマージェンシー(緊急援助)の段階でやるのは
社会の救急法。
息をしていない人に向かって
健康のための心得を説いても仕方がないように
私たちの今の仕事は
ここのコミュニティーの心臓マッサージ。
点滴(食糧)で医師(復興・開発)に次ぐまでの延命措置なのだ。
前にテレビで言ったことだけれど
「米百表」の精神論は必要だけれど
今必要なのは、目の前のお茶碗に入った米。
そしてそれを続けること。
将来のために準備をするための基礎体力と頭脳と気力をつけるための
毎日の栄養摂取。

一つの問題を片づけるうちに、5つの問題が降ってくる環境。

でもこういう環境にいる自分が大変だなんて思わない。
買い物もできないし、ショッピングする場所もないけれど、
おしゃれもしないし、スパもないけれど、
人間の汚さとか美しさとか弱さとか強さとかいじきたなさとか思いやりとか
180度違う「人間たるもの」が一緒くたに雑然と混在するこの場所で
今を生き抜く人たちと一緒に、これからを作る仕事をしていると
本当に疲れないの。
うんざりするような機能不全の官僚主義だったり
システムだったり、極度にポリティカルな人間関係に
辟易することはあるけどね。
フィールドに出ると毎回
「よし、これをしよう」と上向きでポジティブな気持ちががーっと充電される。
原点回帰ってとっても重要と思う。
私が仕事をするのは昇進のためでもお金のためでもない。

そりゃ、私はいつまでもソマリアにはいないけれど
今ここに来られたことを感謝して
自分のもっているもの、考えていること、やりたいこと
最大限総動員して動きたいと思う。
フィールドにいるととにかく書くこと、考えること、やることが多くて
休もうとかリラックスしようとか全く考えない。

食後に映画を楽しむ余裕はあるけれど、
そして隠しておいたチョコレートを
12時すぎにこっそり食べたりもするけれど、
そして休暇も十分もらえるわけだけれど
自分がここにいる間は、心をこめて
ソマリアのために24時間7日仕事をしたい。

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きっと仕事に汗と涙した日々を懐かしく思い出す日が
そして胸がせつなさで痛くなる日が来るんだろうなと今からちょっと心配している。
何かを達成できる環境ではないのだけれど
目の前のニーズに向かって全力でぶつかれるこんな環境はなかなかない。
by miomiomiomion | 2010-08-06 02:14 | お仕事