人気ブログランキング | 話題のタグを見る

世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

現場直行

第一日目の今日は、
配給現場の視察1泊2日の予定。
セキュリティーが理由で日帰りに・・・
往復7時間半かけて行って来ました。

8時出発で時間が限られているから
もちろん、ランチぬき。
バナナを途中で買って
バナナだけで一日乗り切る。

大丈夫?っていわれたけど
ラマダンを経験した身としては
一日しかもフィールド出張だから全く問題なし。
ソマリアの出張は、トイレいけなかったりするから
(途中でトイレできる場所なし)
水摂取も最低限で

一種の冬眠状態

で体の機能を止めるからね。
ごはんも食べないってのは
そんなに苦にならないこと。
人間の体って環境と気合により
結構どうにもなるんだわ。
そりゃそれ1ヶ月続けろっていわれたら
無理だけど、
一日二日くらいどうってことないんだよ。

というわけで、フィールド・ザ・フィールド。

いたるところで水があふれてて、
綿畑が水浸しになってたり
橋が壊れてたり、
避難していた人たちのテントキャンプがある。

そんな中で今日は2箇所の食糧配給視察。
ソマリアやスーダンに比べて
粛々と進んでいる印象。
比べる対象の問題なんだけど
食糧目指して人大突進、
それを制御するために
AK47発射されちゃうような
現場を経験していると
パキスタンの今日の現場は
スムーズすぎて逆に拍子抜けするほど。
もちろん私たちが来るから
準備がちゃんとされていた、という点を差し引いても
パキスタンの民意というか、
国民のレベルも反映しているのかもしれないと思ったり。
ヘリコプターで実施する食糧配給だと
大混乱だって聞いたから場所の状況にもよるのでしょう。

現場直行_d0153664_1455018.jpg

おじさんたちが手にしているのが配給用紙

「食料をくれ!」と叫んでいる人もいないし
カウンターパートのNGOがあらかじめ
被災者登録をちゃんとやっているし
列を乱す人もいない。
私たちが行ったときに
隣町の(他のNGO担当だから今日はここでは食糧をもらえない)
おばあちゃんが2人ほど直訴にきたくらいで、
あとはスムーズに
登録も、チェックも、食糧配給も進んでいた模様。
普通だと女性が食糧を受け取るのだけれど(よその国の場合)
ここだと文化的な事情から配給受け取りはほとんど全てが男性。
NGOの職員も圧倒的に男性が多くて
とにかくパブリックシーンに女性がいない。

粛々ともらって、粛々とロバに乗せて
粛々と去っていく。

現場直行_d0153664_1473853.jpg

怒号も混乱も悲鳴もない最前線。
全ての食糧配給がこう行くといいのだけれど。

とりあえずの第一目は
人の名前と、場所の名前と、状況を把握するのが課題。
その合間に写真をとりつつ、受益者(被災者)の声を聞いて
プログラムの進行具合と仕事のやり方を理解する。

よその国の経験が役にたつこともあるけれど
まずはそこにはいったら、そこのやり方を覚えて
そこのやり方を起点に仕事を進めていくのが基本。
郷に入りては郷に従え。
When in Rome, do as Roman do.
When in Pakistan, do as Pakistan do.

まずは服装、まずは挨拶。
さあ、仕事!に入る前に
やるべき下準備をぐっと凝縮する数日間。
ソマリア時代の上司と、
経験豊かなコーディネーターが一緒だから
ちょっと気持ちが楽ではあるんだけれど、
スタートダッシュはとても大切。

明日は洪水の現場に入ります。

現場直行_d0153664_1495626.jpg

本日のほほえましい一枚「一家総出」
by miomiomiomion | 2010-09-20 23:51 | お仕事