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世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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旅先出会い系

同じ年のアメリカ人の大学教授と友達になる。
泊まっているホテルのフロアーが一緒で
一日に何度も顔を合わせて挨拶しているうちになんとなく仲良くなる。
ここの大学で「開発戦略」を教えるために
2週間の期限で招聘されている彼、
さすがPhDもちの大学教授なだけあって
頭が切れるのは当然としても
アフリカンアメリカ人でムスリムで、
痛いところに手が届く回答をちゃんとくれる人。
ソマリアは人道援助があることで状況が悪くなったか、とか
教育は世界を変えるツールになりうるか、とか
パラダイムシフトと文明の衝突から差別問題から
ボクシングの試合のように夜中まで語る。

ありきたりのセオリーではなくて
アメリカでアメリカ人で生きてきたプラクティカルな視点と
ムスリムの信念と黒人としての社会の立ち居地と
なんていうか、彼を今の彼たらしめた社会要素の合計が
今の私の興味の震源地に近いので
話にタブーな聖域を設けないで
どんどん進められる。
疑問に思って投げかける変化球を
絶妙な角度で打ってくる。
相手の考え方の幅と世界への成熟度と
違った価値観への許容具合をみながら
会話をどんどん飛ばすわけ。
会話ってキャッチボールだから
強く打ち返せる人には
こっちも全力で投げられる。

ソマリア育ちのソマリア人とだと
なかなかこういう会話の深まり方ができにくい。
先週の化粧論争もそうだけれど
私の意見がぽーんとはじけて飛んでしまうというか
言葉を選んで伝えても真意を汲んでもらえない
もどかしさがある。
それが悪いということではなくて
That’s the way it is. その隔靴掻痒感が皆無。
会話の相性がいい、ってこういうことね。
年代が一緒だからかもしれないし
あとは人生の中である種の真理を引き出す
経験の共通項と生きることに対する情熱の注ぎ方。

偏差値的な出来不出来ではなくて
いろんなステージを確実にクリアしてきている人間の
頭のよさというのは磨り減ることのない財産であるのだ
とつくづく思う。若さは衰えていくけれど
知性は、ちゃんと磨けば積み重なっていく。
傲慢になる頭のよさではなくて
自分をちゃんと笑い飛ばせる余裕とシニカルな設問と
前向きで地に足のついた自己内省をしながら
世界を広げていかないとなーと思う。
世界を旅してれば広い視野が身につく、わけでは決してない。

ごはんが終わってから
9時くらいからしゃべり始めて3時まで6時間ノンストップ。
最後に当然のように部屋に誘われて
当然のように断る。
会話の運びもとってもスマート。
だからこちらもスマートに
笑ってお休みなさいを言う。
うん、悪い気はしないよね。
だからってついていかないけどね。

初めて会った人と
バージンと
50人以上寝たと公言する人とは
寝ないのです、というのが
私のいつもの断り文句。
彼のせいじゃなくて、私のポリシー。
I don’t give a shitっていわれたら
I do give a shitと返す

あとはまぁ場合と人と雰囲気によって
私の母に9時以降は男の人がいる部屋に
1人で言ってはいけないといわれているバージョンと
祖母の遺言でバージョンもあり。
まぁなんでもいいんだけれど
Desperateにならないのと
Seriousにならないのが肝要。
最後に笑いを引き出して
一日を丸く納める。

女性を気分をあげるのが
紳士のたしなみなのだとしたら
男のプライドを壊さずに
でも簡単になびいてしまわないのが
淑女の度量。
私が淑女だってんじゃなくて
そうであろうとI am tryingってことね。
いやでもそれって大切よ?

ムスリムのありかたとか
世界をどう変えていくかとか
なぜ先進国の自殺率が急増しているのか
そういう熱い話をした後に
我に返って脳みそクリアーなまま
(お酒が入らないので意外に簡単)
わははと笑ってお互いの帰路につく。
ああ、今日も楽しい一日だったなぁという
そんな理想的な一日。

そして明日は6時起き。カーン
by miomiomiomion | 2010-12-16 03:47 | お友達