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世界のはじっこでの日常生活。思考生産物の物干し竿。


by miomio
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楽しく生きる能力

順応性は人より高いほうだと思う。
人生の中で食べたもののうちもう二度と食べたくないと心から思ったのは
ひよこが孵化しかけているゆで卵とねずみまるごとのシチューくらいだし
(虫は全く平気)どんな人にあっても「うわーこの人だめかも」ということが
基本的にない。(そういうことがないうちに感じよくフェイドアウトする技を持っている、
ということかもしれない)いらいらしないわけじゃないけど、
嫌なことを「流す」脳内の水分量が大目。狭いところで他人と住んでも割と楽しめる。
そんなに物事や人が「こうあるべき」という縛りがないんだと思うの、自分の中に。
世界中の結構はじっこや奥地や普段人があまりいかないようなところで
生活やら旅やらしてきて体得したのは「しなやかさ」というか
始まりは「ま、そんなもんなんだ」心得だ。

この家に引っ越してきて最初に「!」と思ったのはモスクが家の両側にあるってことだ。
問題はモスク一日五回、搭のてっぺんの「拡声マイク」を使って
「アラーはすばらしい」と連呼する。これはムスリムが一日五回メッカの方向に向かって
お祈りする時間に「午後5時のうちに帰りなさいの“夕焼け小焼け”」
よろしくかかるんだけれど、問題は“どなる”ことだ(しかも結構時間が長い)。
バーレーンチームのサッカーの動画が日本語空耳アワー満載ってことで
一時期話題になったけれど、あのサッカーの実況中継もそうだけど、
普段比較的穏やかなこちらの人、スイッチが入ると
ものすごい気合の入った声になるのだ。というわけで、別に仕事中だったら
大音量でも「あ、また始まったな」くらいなもんが、
毎日朝4時前にダブルで両隣から「アラーは素晴らしい」の
覚醒(拡声)メッセージが流れるのはどうしたもんかと初日に思った。
私は眠りが早くて深いのでよっぽどなことがないと途中で目が覚めることはないんだが、
この「アラーは素晴らしい」放送は“よっぽどなこと”レベルなのである。
しかもこの大音量に感化されて、隣家のにわとりがシャウトする。
ただのコケコッコーじゃなくて、人生最後の命がけのコケコッコー(声が最後枯れている)・・・
「うちの部屋、アラー礼賛の放送すごい聞こえるんだけど」とうちの同居人に
伝えたら3人ともみんなおんなじだったので、ま、両隣から来るので
満遍なくアラーの御慈悲に恩恵を受けそうだねという結論で
その場は終わった。ところがである。3日たったらもう全く気にならない。
「今日、アラー放送あった?」「え、気がつかなかったよ」ってなもんで
さすが世界の隅々で仕事をしてきている猛者たち、3日もすればすんなり環境に適応して、
あの大音量の福音が眠りの妨げにならなくなる。
人間の適応力って鍛えると強化するものなのだ。

というわけで、音もにおいも、いろいろうまくいかないことも、
無理やり我慢するのではなく、改善できるのであれば努力はする。
でも中東近所のアラー放送みたいに「解決するのは引越しのみ!」という状況で
しかもこの国町中のいたるところにモスクがあるので、
この状況を“逃げることで”回避したとしても、新しい家も
きっとアラー放送に包まれるのは間違いない。
なのであれば「そういうもんだ、そうなんだ」を体のプログラムに
埋め込むしかないわけなのである。

やりきれないことが多い世の中で
「そういうもんなんだ、そうなんだ」思想だけでは平和はやってこないけれど、
私たちがどうにかできる手の届く範囲の日常レベル、私レベルで周りと対峙するときに、
「相手を受け入れる姿勢でまず」というのは最強だと思う。
強さってのは強固なことではなくてしなやかなことだ。
いろんな考えがあって、いろんな状況がある中で
自分を幸せにおいとくために必要なのは「自分が変わること」って、
ほらガンジーも似たようなことをいってたではないですか。

あ、でもちょっと一言言わせてもらうと
私にも融通利かない領域があったんだった。文房具。
これ同僚の日本人も言ってたんだけど、
仕事のモチベーションがあがる「ノート」とか「ペン」
(私の場合は絶対ハイブリッドの0.7ミリ)ってあるのよね。
これはもう絶対日本製に限る。紙の質感とかペンの出方とか
仕事の生産量に多いに影響がある。出ないボールペンとかインクが
にじむノートとか使っちゃうとモチベーションが落ちること落ちること。
A5のルーズリーフがなくなって私の唯一のハイブリッドペンが
すでに残量1センチ切っていてあと一ヶ月もたなそうな危険な現状。
ハイブリッドペンがなくなる前にどうにか方法を考えなくては。
by miomiomiomion | 2014-08-29 18:13 | 楽しく生きる